「熱があるので今日はお風呂に入るのは控えてくださいね」
風邪を引いたときにお医者さんから言われたことはあり ません か?
熱があるときにお風呂を控えるのは、体力を消費して余計に疲れてしまうのを防ぐためです。
温泉にも、入ってはいけない病気や症状があります。
その症状のことを禁忌症と言います。
禁忌症は、温泉に行けば必ず書いてありますが、健康に関わるのでしっかりと覚えておきましょう。
この記事では温泉の禁忌症について解説していくため、不安に感じている方は最後まで読んでください。
温泉の禁忌症の種類
禁忌症は「一般禁忌症」と「泉質別禁忌症」の2種類に分かれています。
それぞれ温泉に入ってはいけない症状が異なるため、確認していきましょう。
一般禁忌症
・病気の活動期(特に熱のあるとき)
・ 活動性の結核
・進行した悪性腫瘍又は高度の貧血など身体衰弱の 著しい場合
・ 少し動くと息苦しくなるような重い心臓又は肺の病気
・むくみの あるような重い腎臓の病気
・ 消化管出血
・目に見える出血があるとき
・ 慢性の病気の急性増悪期
一般禁忌症はどの温泉に入る場合でも当てはまるものです。
特に、心臓や内蔵に病気がある人や呼吸に不安がある方は、温泉に入るのを控えた方がいいでしょう。
泉質別禁忌症
泉質別禁忌症は「浴用」と「飲用」とさらに分かれています。
適用されるケースはかなり限られてきますが、念の為確認しておきましょう。
浴用の泉質別禁忌症
浴用の泉質別禁忌症があるのは、硫黄泉と酸性泉の2つのみです。
・皮膚、粘膜の過敏な人
・高齢者の皮膚乾燥症
硫黄泉と酸性泉が浴用の泉質別禁忌症に該当する理由は、かなり刺激が強い温泉だからです。
群馬県の草津温泉は酸性泉で有名ですが、その刺激の強さは1円玉が溶けるほどあります。
健康な方が入浴するのは問題ありませんが、特に肌や皮膚が弱い人は、肌がただれたりする可能性があるため注意してください。
飲用の泉質別禁忌症
飲用の泉質別禁忌症
飲用の泉質別禁忌症 | |
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ナトリウムイオン を含む温泉を1日 ( 1,200 / A ) × 1,000mLを超えて飲 用する場合 | 塩分制限の必要な病態 (腎不全、心不全、肝 硬変、虚血性心疾患、 高血圧など) |
カリウムイオンを 含 む 温 泉 を 1 日 ( 900 / A ) × 1,000mLを超えて飲 用する場合 | カリウム制限の必要な 病態 (腎不全、副腎皮 質機能低下症) |
マグネシウムイオ ンを含む温泉を1 日 ( 300 / A ) × 1,000mLを超えて飲 用する場合 | 下痢、腎不全 |
よう化物イオンを 含 む 温 泉 を 1 日 ( 0.1 / A ) × 1,000mLを超えて飲 用する場合 | 甲状腺機能亢進症 |
※上記のうち、二つ以 上に該当する場合 ・ 該当するすべての禁忌 症 (注)Aは、温泉1kg 中に含まれる各成分の重量(mg)を指す。
参照:環境省
上記に飲用の泉質別禁忌症をまとめたため、確認しましょう。
急に数字が増えて意味が分からない、と感じる方もいるかもしれませんが安心してください。
飲用の場合、温泉を飲む量によって禁忌症になるかどうか決まります。
例えば、ナトリウムイオンを含む温泉で、成分の重量が3000mgだったとします。
すると、計算式は以下になります。
(1200/3000)×1000mL=400mL
つまり一日に飲んでいい量は400mLまで、この数字を超えると禁忌症になるのです。
そもそも、一日に温泉を飲む量は200~500mLが推奨されています。
さらに温泉が飲める施設も限られているため、禁忌症に該当する可能性は低いでしょう。
不安な方は旅館やホテルのスタッフに聞けば教えてくれるはずなので、確認するのがおすすめです。
ですが、下痢のときに大量の水を飲まないですし、腎不全のときに塩分が多い食べ物を食べませんよね。
同じように、体調が悪いときは温泉を飲むのは避けるのが無難です。
温泉の禁忌症に関するよくある質問
最後に温泉の禁忌症に関するよくある質問にお答えしていきます。
妊娠中に温泉に入るのはよくないですか?
A.妊娠中に温泉に入っても問題ありません。
2014年に温泉法が改正されるまでは、妊娠中の初期と末期が禁忌症に含まれていました。
ですが、現在の温泉法では妊娠中の記載はないため、問題なく温泉に入浴できます。
そもそも改正前の温泉法に妊娠中の記載があったのは、なんとなく危ないからというのが大きな理由だったとされています。
そのため、温泉と妊娠には直接的な関係はないんです。
しかし、温泉は滑りやすいほか、泉質によっては体に負荷がかかります。
また、何かあった際に病院が近くにない場合もあるため、症状や体の状態を見て入浴するか判断するといいでしょう。
禁忌症に該当したらもう一生温泉に入れないんですか?
A.禁忌症に該当しても温泉に入れる場合があります
禁忌症は温泉への入浴を避けるべき症状です。
これは、症状や健康への影響を避けるためのものです。
そのため禁忌症に該当する場合は、かかりつけのお医者さんなどへ相談し、入浴しても問題ないことを確認しましょう。
問題ないことが確認できれば、温泉に入っても問題ないでしょう。
温泉の禁忌症のまとめ
禁忌症の掲示は、温泉法という法律で各施設や温泉地に義務付けられています。
ですが、私たちが掲示を確認しなければ意味がありません。
温泉に入る前に少しだけでもいいので、禁忌症や適応症などを確認しましょう。
安心して入浴するほうが、温泉をより楽しめるはずです。
また、ご家族で温泉旅行をする際は、周りの大切な人を禁忌症に限らず気にかけてあげてくださいね。
コメント・アドバイスありがとうございます!!